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AJEQ研究会報告(12月8日)「ケベックとフランコフォニー」 [報告]

AJEQ研究会報告(12/8)「ケベックとフランコフォニー」:(掲載12/15)

日時:2012年12月8日(土)17:00~18:30
報告タイトル:「ケベックとフランコフォニー」 
報告者:長谷川秀樹会員(横浜国立大学) 
会場:立教大学 池袋キャンパス 本館(1号館)2階 1201教室

 見事なクリスマスツリーが点灯する立教大学池袋キャンパスにて2012年12月8日、今年度3回目のAJEQ研究会が開催された。
 研究会に先立ち、矢頭会員の司会により30分間にわたりクリスマスをテーマにしたお楽しみ会が催された。ケベック州政府提供のパワーポイント映像でケベックのクリスマス風景を堪能した後、クリスマスソングをフランス語で3曲歌い、ケベックでのクリスマスの思い出を語り合った。
 その後、「ケベックとフランコフォニー-フランコフォニー成立後期におけるケベック」と題し長谷川会員による研究発表が行われた。国際組織としてのフランコフォニーの成立後期に見られたケベックとカナダ連邦との間の葛藤を、詳しい調査に基づきわかりやすくまとめた発表であった。
 長谷川氏は、フランコフォニーの成立期を、Esprit誌特集号でサンゴールがフランコフォニーについて言及した1962年10月から、ACCT(文化技術協力機構)発足の1972年3月までとし、なかでもガボン会議(1968年2月)以降を成立後期と定義した。
 同氏はこの成立後期をさらに以下の4つに区分して、ケベックとカナダ連邦の関係を検討した。
1.1968年1月~4月:ケベック―カナダの対立のはじまり
2.1968年4月~9月:対立の激化、複雑化
3.1968年9月~12月:状況の変化、カナダ政府の巻き返し
4.1969年:妥協と歩み寄りへ
 アフリカ諸国とケベックとの間の利害の一致によりフランコフォニー設立計画が進んでいたところへ、カナダ連邦の参加により事情が複雑化し、ケベックとカナダのあいだの対立が深まっていった過程、フランスおよび他のフランコフォニー諸国の反応、両者の歩み寄りまでの事情が詳述された。(文責:小松)

お楽しみ会と研究会の様子
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(写真提供:小松)
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ブシャール教授の講演会@京都大学(12月12日) [お知らせ]

ブシャール教授(ケベック大学シクチミ校・歴史学)講演会@京都大学
(西山教行京都大学教授よりの情報を転載)

2012年12月12日(水)14:45-16:15,
吉田南総合館216演習室
フランス語による,逐次通訳あり(無料)
(ご来場の際はご連絡いただければ幸いです)

ケベックにおけるナショナル・アイデンティティの再定義について
ジェラール・ブシャール(ケベック大学シクチミ校・歴史学)

 この講演では,まずアイデンティティの概念について簡潔に考察の上,その定義を行う。これを踏まえて,この50年の間にケベックで行われたナショナル・アイデンティティの大きな変容を振り返る。主としてこの変容は,移民の流入をうけた,ケベックのエスニックな文化の多様化により行われたものである。1960年代ならびに1970年代より,ケベックのフランス語話者はもはや一つの均質なネイションとして自己規定ができなくなったため,アイデンティティの見直しが必要になったのである。
 これにより,ケベックはさまざまな課題に直面したが,それらは当時,西洋の他の多くのネイションにも認められるものであった。それは,集団的記憶について,基本的価値観について,将来への展望や市民生活の規範について,これ以降,どのようにして合意を形成できるのかという課題である。また脱宗教的な社会の理念と,移民の導入したさまざまな宗教との共存をどのように両立するのかとの課題でもある。言い換えるならば,どのようにして歴史的継続性や,ネイションの創成神話を保持させるため,またさまざまな価値観と伝統,アイデンティティ,世界観を調和させるため,どのようにネイションを再定義できるのかという課題なのである。
 ケベックは,現在このように困難な営みに関与している。そのためにケベックが参考とするモデルは「間文化主義」であり,それはこの数十年の間に作りあげられたものである。講演の最後では,このモデルの重要な特徴について言及する。

参考文献
ジェラール・ブシャール著 立花英裕 [ほか] 訳(2007)『ケベックの生成と「新世界」:「ネイション」と「アイデンティティ」をめぐる比較史』彩流社
ジェラール・ブシャール, チャールズ・テイラー編 竹中豊, 飯笹佐代子, 矢頭典枝訳(2011)『多文化社会ケベックの挑戦:文化的差異に関する調和の実践ブシャール=テイラー報告』明石書店
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会員の活動報告(廣松勲会員) [報告]

会員の活動報告(廣松勲会員):(12/2)

廣松勲: (独)日本学術振興会特別研究員PD/慶應義塾大学総合政策学部・訪問研究員

最近の活動に関してご報告いたします。

1)2012年5月:
 モントリオール大学に博士論文(Mélancolie postcoloniale : relecture de la mémoire collective et du lieu d’appartenance identitaire chez Émile Ollivier et Patrick Chamoiseau)(フランス語)を提出し、無事受理されました。指導教官はAJEQの大会にも参加して頂いたLise Gauvin名誉教授でした。
 参照サイト:https://papyrus.bib.umontreal.ca/jspui/handle/1866/7134(本ページからダウンロードもできます。)

2)2012年5月9日(水):研究発表(フランス語)
 モントリオールで開催された第80回ACFAS (Association francophone pour le savoir)学会において、« Remémoration créative de l’enfance dans Antan d’enfance, Chemin-d’école et À bout d’enfance de Patrick Chamoiseau »(セッション名「Poétique de l'enfance : perspectivves contemporaines」:responsable de la session : Kodjo Attikpoé)と題した研究発表を行いました。
 参照サイト:
http://www.acfas.ca/evenements/congres/programme/80/300/350/c

3)2012年9月:研究論文(フランス語)
Lise Gauvin名誉教授が編纂なさった論文集Émile Ollivier : un destin exemplaire(Montréal, Mémoire d'encrier、coll. "Essai")に、拙論« La correspondance avec les éditeurs : histoire éditoriale des œuvres d’Émile Ollivier »(p.119-142)が掲載されました。
 参照サイト:http://memoiredencrier.com/emile-ollivier-un-destin-exemplaire/

4)2012年11月3日(土):研究発表(日本語)
 盛岡、岩手県立大学アイーナキャンパスにて開催された、日本フランス語フランス文学会東北支部会において、「パトリック・シャモワゾーにおけるトランスカルチャー:記憶の伝達から伝達の記憶へ」と題した研究発表を行いました。.
 参照サイト:http://www.sjllf.org/jofg69lp9-15/?block_id=15&active_action=journal_view_main_detail&post_id=364&comment_flag=1

5)2012年11月24日(土):研究発表(フランス語)
 ソウルの成均館大学にて開催された、2012年度ACEQ(Association coréenne d'études québécoises)学会に、立花英裕副会長と参加し、« Espace et identité : la description spatiale chez Émile Ollivier »と題した研究発表を行いました。
 参照サイト:http://quebec-coree.blogspot.jp/(ACEQの活動などを見ることのできるサイトです。)
 なお、「2012年度韓国ケベック学会コロック参加報告」(立花英裕副会長、廣松勲会員)は、このブログの以下の記事をご覧ください:
http://ajeq.blog.so-net.ne.jp/2012-12-02

6)2012年11月29日(木):逐次通訳(日仏語双方)
 仙台の東北大学にて開催された、日仏両国の小説家Éric Faye氏と堀江敏幸氏による公開討論会「現代に呼応するジャンルとはなにか?」において、日仏両言語の逐次通訳を行いました。ちなみに、本会は2012年度フランス語圏文学フェスティバル「読書の秋」の一部です。
 参照サイト:http://alliancefrancaise-sendai.org/ja/events/

以上です。
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2012年度韓国ケベック学会コロック参加報告 [報告]

2012年度韓国ケベック学会コロック参加報告 (12/2)

参加者:立花英裕副会長、廣松勲会員

Colloque de l’Association Coréenne d’Études Québécoises

Date : le 24 novembre 2012 : 14:00 ~ 19:00(予定終了時間は18 :00)
Lieu : Université Sungkyunkwan (Salle de Toegye, Bâtiment des sciences humaines, salle 31709)
Organisation : Association Coréenne d’Études Québécoises
Hôtes : Centre des Études Francophones de l’Université Sungkyunkwan
Parrainage : Bureau du Québec à Séoul, Université Sungkyunkwan
(プログラムは写真の下に掲載)

報告(立花英裕副会長、廣松勲会員):
2012年11月24日(土)に、韓国ソウルの成均館大学にてACEQの年次コロックが開催されました。滞在中は、大学直近にあるInternational Houseという大学のゲストハウスに滞在させて頂きました。また、学会前夜には、Lee Jisoon先生やHan Yongtaek先生に三清洞(サムチョンドン)にある伝統料理のレストランにも連れて行って頂きました。
当日の早朝には、コロック開始時間が午後14時(受付は13時半~)ということもあり、成均館大学の学生に案内してもらい、構内の一部を見学することができました。丘陵にある大学構内には、歴史的建造物も多く保存されており、とても興味深い散策となりました。また毎週末には伝統的な結婚式が行われるということで、短い時間ながらも式を見学しました。
12時過ぎからは、ACEQの現会長Lee Jisoon先生(成均館大学)や前会長Han Daekyun先生(清州大学)、学会当日直前まで様々な連絡をして頂いたHan Yongtaek先生(檀国大学)、さらに幹事長のLee Insook先生(漢陽大学)やChung Jiyong先生(成均館大学)と一緒に、学食の教職員食堂にて昼食を頂きました。その後、全員で会場に徒歩で向かいました。
14時を少し過ぎて、コロックが始まりました。参加者は20人強ほどでした。まず第一部は、廣松によるエミール・オリヴィエに関する発表と立花英裕副会長によるダニーラフェリエールに関する発表(いずれもフランス語)が行われました。
廣松勲会員の発表は、エミール・オリビエの小説Passages、La Brûlerieを中心に、モントリオールに亡命の日々を送る人々の存在のあり方やアイデンティティを問うものでした。発表において重点がおかれた小説La Brûlerieは亡命知識人が集まるカフェの名前でもあり、モントリオール大学近く、la Côtes-des-Neigesの通りに面したカフェを舞台として、そこに集まる人々の日常描写と彼らの言葉、それを通して見えてくる、帰還への想いが募る祖国ハイチと、通過の土地モントリオールとの間に開かれる空間の構造が詳細に分析されていました。コメンテーターの KIM氏からはutopieとdystopieについて質問が出るなど、会場との意見交換も含めて、内容の濃い、充実した発表でした。
立花英裕副会長のご発表は、2011年10月に初来日を果たしたダニー・ラフェリエール氏の処女作『二グロと疲れないでセックスする方法Comment faire l’amour avec un nègre sans se fatiguer ?』を主たる分析対象としたものでした(本作は2012年12月に副会長による邦訳が刊行予定)。特に作家としてのラフェリエールの誕生や本小説の物語世界が、どのようにモントリオールという都市空間の文化的交流・多文化性と関連するのかを、時に映像資料も用いながら論じられました。会場からは時折笑い声が上がり、とても興味深い発表でした。
その後、一時の休憩をはさみ、第二部ではAntoine Coppola先生(成均館大学)による「シネマディレクト」に関する発表(フランス語)が行われ、次に、Ko Hyesun先生(韓国外国語大学)によるミシェル・トランブレイに関する発表(韓国語)、そしてLee Jisoon先生とLee Jooyoung先生(成均館大学)によるワジディ・ムアワドに関する発表(韓国語で、発表者はLee Jooyoung先生)がありました。
 コロック終了後は、大学から少し離れた大学路(テハンノ)近くにあるレストランにて第一次懇親会が行われ、その後引き続き第二次懇親会が行われました。コロック中には話すことのできなかった先生方と交流を深めることができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。
コロックの前段階から当日に至るまで、ACEQの方々には様々な形でおもてなしをして頂きました。改めて深謝をさせて頂きたいと思います。
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夜の正門
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明倫堂
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600周年記念館
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立花副会長の発表
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廣松会員の発表
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Programme :
◇◆ Colloque de l'Association Coréenne d'Études Québécoises ◆◇
◇ Fécondité et hétérogénéité culturelle ◇

Date : le 24 novembre 2012, 13h30∼18h
Lieu : Université Sungkyunkwan (Toegye Hall of Humanities, salle 31709)
Organisation : Association Coréenne d'Etudes Québécoises
Ho_tes : Centre des Etudes Francophones de l'Université Sungkyunkwan
Parrainage : Bureau du Québec à Séoul
Université Sungkyunkwan

PROGRAMME DU COLLOQUE

13:30~14:00 Inscription
14:00~14:10 Paroles d'inauguration - Ji-soon LEE(Univ. Sungkyunkwan, présidente de l'ACEQ)

1ère Session Modérateur : Choong-hoon LEE (Univ. Hanyang)
14:10~14:50
◇ Espace et identité : la description spatiale chez Émile Ollivier
- Isao HIROMATSU (Societe Japonaise pour la Promotion de la Science)
débatteur : In-kyung KIM (Univ. Feminine Seoul)
14:50~15:30
◇ Dany Laferrière et l'espace urbain
- Hidehiro TACHIBANA (Univ. Waseda)
débatteur : Ok-keun SHIN (Univ. Nationale de Kongju)

15:30~15:50 Pause

2ème Session Modérateur : Yong-cheol LEE (Univ. Ouverte Nationale de Corée)
15:50~16:30
◇ Le cinéma-vérité dans le film « La Lutte » de Michel Brault
- Antoine COPPOLA (Univ. Sungkyunkwan)
débatteur : Heui-tae PARK (Univ. Korea)
16:30~17:10
◇ La littérature fantastique québecoise dans les années 60 et Michel Tremblay
- Hye-sun KO (Univ. Nationale de Seoul)
débatteur : Joong-hyun KIM (Univ. Hankuk des Etudes Etrangeres)
17:10~17:50
◇ Le silence et l'écriture dans « Incendies » de Wajdi Mouawad
- Ji-soon LEE/Joo-young LEE (Univ. Sungkyunkwan)
débatteur : Ki-hyun PARK (Univ. Nationale de Chonnam)

17:50~18:00 Debat et Clôture
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